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| この“プリマベーラ”は福岡市政100周年を記念するモニュメントとして、新しく建設された市庁舎前に1992年の春設置されました。この作品は世界中から300人に及ぶ芸術家が作品を提示し、厳選な審査を経て選ばれたものです。 “春”、“発展”、“繁栄”などを意味するこのブロンズは、しっかりと大地に足を就き、大空に向かって両手を高く掲げ、その顔はおおらかに未来に向けられて、風に揺れるスカートと羽ばたくリボンが硬質なブロンズに軽やかな動きを感じさせています。 作者エスター・ワートハイマーはポーランド生まれ、カナダ・アメリカ在住の女流彫刻家で、その活躍はカナダ・アメリカ・イタリア・日本・シンガポールと広域にわたります。 このモチーフをエスターが得たのは天安門事件の時でした。調度、中国を旅行中だった作家が、北京で遭遇した歴史的な革命の意味と学生達の勇気有る行動に感銘を受け、このことを人々に忘れまじという願いからでした。 福岡の市政100年という大きな節目に、日本の隣国で歴史上とりわけ交流の深かったアジアの最大国・中国から得た大いなる教訓をテーマとして掲げたのは意味深いものがあります。 エスターの日本における活躍は目覚しく、ロダン大賞に輝いた箱根の彫刻の森の“カフタン”を初めとし、シンホニー・ホール、公園・スポーツ・センター等に設置されています。 重いブロンズという素材を、流麗な動きのある、一瞬の動きを的確にとらえたスタイルで表現した彼女の作品は、モダンさと軽やかさがあり際立った特徴となってます。 また1993年にはエスター・ワートハイマーの展覧会がモントリオール・東京・シンガポールの3カ国巡回展として、それぞれの国のカナダ大使館後援のもとに開催されました。とりわけシンガポールでの展覧会には現地にある60カ国の大使婦人が集まり、ルネッサンスから始まった近代美術の流れをエスター自身が講義をし、亜熱帯の風香るテラスでの茶話会が好評を博しました。 そのあと、シガポール芸大に匹敵する名門校ラサールでのレクチャーも行われ、西洋美術の生きた講義に触れる機会の少なかった美大生達は目を輝かせて聞き入っていました。 |